京都の伏見稲荷大社が2月の最初の午の日に祀られるようになったことから、同様に全国に3万ある稲荷神社の多くで祭日となっています。
早朝よりゴクカキと呼ばれる男衆8人が冷たい水(かつては黒河川)で身を清めた後、ゴクカキと長老たちが鳥居から拝殿まで行列しますが、その中心はヒトミゴクと呼ばれる少女です。コシモトと呼ばれる女性が付き添い、ゴクカキが持つお供えの入ったおひつの下を進みます。神事が済むとゴクカキは一般の参加者にこのゴク(黒豆の入ったご飯)のおにぎりを配ります。女の子はかつて村を襲ったヒヒを鎮めるための人身御供役を再現していると伝えられています。
一方で、敦賀を含む若狭地方一帯の古いお祭りでは、お供えの近くを歩く女の子の役割が多くみられ、お供えを捧げる役割が女性であった名残ではないかとも考えられています。
山区の稲荷神社は伝統的な氏子組織を今に残しており、氏子の長老は加入の古い人から一老、二老、三老と呼ばれます。かつてはこうした年齢階梯制的な村落秩序を持っていた地区も多かったようです。
種別:敦賀市指定無形民俗文化財
所在地:山