敦賀港の国際性を物語る赤レンガ倉庫の隠れた魅力を発見してみましょう
旧紐育スタンダード石油会社倉庫は、明治38年にニューヨークを拠点としたスタンダード石油会社が敦賀港で石油の直輸入を行うため、港と金ヶ崎駅を繫ぐ位置に建てたものです。平成21年に北棟・南棟と建物を囲っている煉瓦塀が同時に登録有形文化財に登録されました。現在は、敦賀赤レンガ倉庫として、北棟がレストラン館、南棟がジオラマ館となって広く活用されています。
この倉庫は、それぞれ桁行35m、梁間15m程の規模を有しており、福井県下最大規模の煉瓦造建物とされています。煉瓦の数が少なく経済的でありながら、強度が高いとされているイギリス積煉瓦造が採用され、内部は柱の内側に壁を設けることで内壁を平滑としており、大量の石油を貯蔵できるよう工夫が凝らされています。
現在、内部の構造は殆ど見ることはできませんが、北棟の出入り口上部には、白色で数字が書かれており、敦賀港から陸上あげした石油箱を順番に整理していたと思われる痕跡を確認することができます。
旧紐育スタンダード石油会社倉庫は、敦賀港のシンボルとしてよく知られている建物ですが、まだまだ文化財としての魅力が残されています。今一度、倉庫を訪問してみましょう。
名称:旧紐育スタンダード石油会社倉庫北棟・南棟・煉瓦塀
種別:登録有形文化財(建造物)
登録年月日:平成21年(2009)1月8日
年代:明治38年(1905)頃
所在地:金ヶ崎町